動かない車の中で、「あ、ブレーキ踏んでる！」は車内の誰でも言えますが、「あ、ブレーキ踏んでた！」は運転手にしか言えません。この運転手の「特権性」はどこから、どのように生じるのでしょうか？　発言する権利は、本当に平等でしょうか？　コミュニケーション観の根底を、語用論、会話分析、人類学、動物行動学の第一線の研究者が問い直します。